「次はオマエだよ」――ジェイ・Zはそういった。 例えばあなたがラッパーだとする。そして、(少なくとも05年現在はソロで)ラップすることから身を引いた音楽業界のアイコンにして、ラップを使って巨万の富を築き、(ストリートからも)名声を獲得している若手実業家から「オレの次はオマエだ」なんて言われたら、あなたは“キング”と名乗ってもいいだろう。 T.I.は01年に『アイム・シリアス』でメジャー・デビューした。と同時に、ヴィジュアル、リリカル性、声質、フロウなどで突出したタレント性を持っているため、一気にスターダムへの階段を上っていくことになる。ドラッグ絡みで3年間もお勤めした男のサクセス・ストーリーが始まったのだ。しかし、アトランタ出身のこの男が、自分を“キング”に位置づけるのは少し後の話である。 03年、2ndアルバム『トラップ・ミュージック』を完成させたT.I.は、地元のスターからサウスのキングへと歩を進めていく。セールス的にもこのアルバムは、全米ヒット・チャートでトップ5に食い込む好チャート・アクションを見せたのだ。その人気は全国区に。 その後に「次はオマエだよ」とジェイ・Zに言わしめたT.I.は、04年に3rdアルバム『アーバン・レジェンド』を発売する。このタイトルからして“都市型ブラックミュージック界の伝説”と意訳できるだけに、みなぎる自信のほどが窺えるというもの。と同時に、そのジェイ・Zの声を無断でサンプリングした「ブリング・エム・アウト」やサウスの新鋭としては自分と人気を分けるリル・フリップとのビーフなど、さまざまなよくない噂も立っているわけだが。 ひとつ言えるのは、この男はまだまだタフになり続けているということ。このアーティスト・レビュー欄にもどんどんとT.I.の軌跡がつけ加えられていくことだろう。 |
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1月6日11時0分更新
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